(3)諸官庁・外部諸団体との協力
①日本住宅公団との連携によるガス機器開発・安全対策
昭和50(1975~)年代の日本住宅公団(現UR都市機構)は、集合住宅技術の先端を歩んでいました。
建物の中でガス機器をどのようにして設置するかは、建築設計時に取り込まれることが望ましいので、建築設備の一部としてのガス機器の位置づけなど、ガス機器やガス配管など技術開発面で、日本ガス協会として日本住宅公団に対し日常的に協力するとともに、BF型風呂釜など共同開発を進めました。
集合住宅の建築計画にガス機器を組み込むことは、既設給排気筒設備の改善とともに、新しい住空間に適したガス機器の開発にもつながり、将来に向けた住宅設備とガス機器の開発という面で効果がありました。
開発した新製品は、民間の共同住宅や高層マンションなどで全国的に使われ、安全対策に効果を発揮したのです。
ちなみに次のような例をあげることができます。
A 既設排気筒型機器(CF型)の排気筒小口径対策
B バランス型風呂釜の共同開発と全面的な採用(給排気対策不要)
C パイプシャフトに収納できる、コンパクト型給湯付き風呂釜の開発
D 排気ダクト内設置小型湯沸器の開発
上記Aは、既に解決済
Bは、昭和40(1965)年~昭和60(1985)年、普及拡大で社会に貢献
Cは、将来に向けた商品として、今日、広く利用されている
Dは、新設時の必要性がなくなったので中止した
②関係する建設業界、消防庁、自治体などの協力支援
ガス機器事故が多発した時には、通産省(現在の経済産業省)、消防庁、建設省(現在の国土交通省)などの関係省庁からの行政指導や協力・周知などによる支援があり、日本ガス石油機器工業会、建設業界、住宅設備業界などからもたくさんの支援やアドバイスがありました。
③マスコミ・消費者団体などへの対応
テレビ、新聞などの報道機関は、当時の事故多発を取り上げていました。
特に、読売新聞の一記者は、ガス機器や排気設備を有する需要家に対して注意を喚起することが大切だと共鳴し、排気設備不備の需要家が全国で約50万件あることを公表するとともに、「酸欠住宅対策」キャンペーンを展開し、消費者に対する注意喚起をしてくれたことがありました。
消費者団体からは、抜本的な安全対策をすべきであると、都市ガス事業者に対してたびたび要請がありました。
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