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【第2章】都市ガス事業と保安の歴史(第5回)

3.都市ガス事業の推移と保安

④ 昭和から平成へ、ガス設備・機器の近代化

 都市ガス事業の天然ガス化は、昭和30年代から考えられていましたが、実際は昭和44(1969)年にアラスカからLNG(液化天然ガス)が専用船で運ばれたのが初めてでした。

 

前述のように、天然ガス化は、将来のガス需要が増えることや大気汚染などの環境問題への対応、さらには合理化のための一環でもありました。

 

これによって、13種類のガスグループを統一する事ができ、さらに一酸化炭素(CO)ガスを含まない天然ガスによって、石炭ガスなどが抱えていた一酸化炭素(CO)ガスによる事故を無くすという、歴史的な保安上の問題を解消する将来展望が開けてきたのです。

 一方、昭和40年代後半にガス機器の事故が多発した反省から都市ガス業界が続けていた再発防止策は、引き続き実行されました。
今までの機器への「安全周知」のソフト的な対策や、新しい機器への不完全燃焼防止装置の取り付けなど「ハード」的な安全対策が実を結んで、ガス事故は着実に減ってきた時期でした。

 

いわば、都市ガスの原料面、供給施設、ガス設備、ガス機器などでの全面的な近代化が始まった時期といえるでしょう。

 

都市ガス業界が、今までの「事後保全型」(事故発生事例から同種事故防止対策措置、以下同じ)から、予防保全型(ガス機器の使用者の誤操作や、不良設備・機器があっても事故を侵さない措置)に変わったことによる効果が徐々に現れて、事故は着実に減っていきました。

 

住宅内を安全にする仕上げとして「マイコンメーター」が開発され、各建物のガス管内の通路につけられたことは、異常があれば、安全側にガスを止めるということで、ガス事故防止に大いに役立っています。

また、「マイコンメーター」についている感震遮断装置は震度5で都市ガスを自動的に止めるので、大地震発生時の火災防止に役立っています。

 

 

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