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【第7章】安全化策を講じたガス機器の近代化の実現(第5回)

Ⅱ 最新のガス機器・システムの紹介

ここではフェイルセーフの安全システムや、快適性、省エネ性、機能性、健康に配慮した最新のガス機器・システムを紹介します。

  1. 2 機能性・省エネ性・快適性・健康等に配慮した機器システムの紹介

  2. (1)機能性①=トータルエネルギーシステム

  3. これは温水を利用して、住まい全体を快適にするシステムです。

    各部屋や暮らし方に合わせて、自由なシステムプランが立てられます。
    例えば、リビングには床暖房、浴室にはミストサウナなど、家中を快適さと安心で満たすことができます。(下図)

  4.  

 

(2)省エネ性=高効率・高機能熱源機「エコジョーズ」

エコジョーズは、従来型給湯器(スタンダード)では、83%が限界だった給湯熱効率を、排気熱・潜熱回収システムにより、95%に向上させました。これにより、省エネルギー・高効率・低NOXを実現しました。さらに高い安全性も備え、安心して使えます。

エコジョーズの特長は以下の通りです。

 

①環境性

潜熱回収システムにより、大気中への熱の方出を低減し、CO2排出量を削減し、地球温暖化防止に貢献します

 

②低ランニングコスト

約95%まで向上した給湯熱効率により、省エネルギーを実現し、ランニングコストが安くなりました。ガス使用量を減らせるため、従来型給湯器と比べて節約になります。

 

③湯切れ知らずの瞬間式給湯器

エコジョーズは、加熱された熱交換器で瞬間的にお湯を作ります。必要な時に必要なだけお湯を沸かす瞬間式なので、湯切れすることはありません。また、キッチンや洗面などで同時使用が可能であり、シャワーの同時使用もできます。

 

④コンパクトで省スペース

瞬間式のエコジョーズは、お湯を沸かして貯めておく貯湯タンクがないのでとてもコンパクトです。

 

⑤安全性

潜熱を回収する二次熱交換器はステンレス製で、耐久性に十分配慮した設計であり、耐腐食性になっています。さらに、酸性のドレン水を中和するための装置も備えています。

 

(3)快適性①=ガス温水暖床房

床全体をほぼ均一に暖める温水式床暖房なら、部屋の上ばかり温まってのぼせるようなことはありません。身体は広い面積からの輻射熱と熱伝導によって熱を吸収するので、まるで陽だまりのような暖かさです。床暖房は床仕上げ材の下に温水マットを敷いてあるので、機器本体が見えません。燃焼部分も外にあるので、室内の空気を汚すことなく、運転音も静かです。部屋の隅々まで広々と使うことができます。そのため、最近では多くの新築住宅や高層住宅マンションなどの居室用として、ガス温水床暖房が標準仕様となっています。

 

(4)快適性②=ミストサウナ付き浴室暖房乾燥機

ミストサウナは、短時間で身体の芯からしっかり暖まり、気持よく発汗させる機能があります。浴室暖房乾燥機には、4つの機能があります。1つ目は冬場のヒートショック対策の浴室暖房、2つ目はパワフルな温風の衣類乾燥、3つ目はカビの発生を抑えて掃除も簡単になる浴室乾燥、4つ目は夏でも涼しく入浴できる送風機能です。

 

(5)機能性②=ガスシステムキッチン

ガスシステムキッチンの特長は、主に以下の3点です。1つ目は、火力の強さです。ガスコンロの魅力は、何といっても火力の強さです。ガスの炎で、本格的な料理が思う存分楽しめます。2つ目は、火加減が自由自在ということです。中華料理などの高火力から、煮込み料理などのとろ火まで、火加減を思いのままに調節できるということです。すべてのコンロとグリルを使って、同時にたくさんの調理ができるので、調理時間が短縮できます。

3.都市ガスによる究極の家庭用エネルギーエコシステム

近年、注目を浴びているものに、家庭用燃料電池と太陽光発電を組み合わせたエネルギーシステムがあります。

燃料電池とは、「水の電気分解」と逆の原理で発電させるシステムです。水の電気分解は、水に外部から電気を通して水素と酸素に分解しますが、燃料電池はその逆で、水素と酸素を電気化学反応させて電気を作ります。

家庭用燃料電池システムの仕組みは以下の通りです。(下図)

 

 

(1)発電の仕組み

都市ガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて発電します。

 

(2)給湯の仕組み

発電時に生まれる熱を回収し、約60℃のお湯をつくり、給湯に使います。バックアップ熱源機も付いているので、お湯切れの心配もありません。

 

(3)暖房の仕組み

床暖房やミストサウナに使う温水は、バックアップ熱源機から作られます。

太陽光とのダブル発電をすると、家庭内のCO2削減量も向上し、CO2削減効果もさらに大きくなります。家庭内での発電量が増え、売電量も多くなり経済的です。

ガス機器の近代化の実現(安全化策講じたガス機器開発の歴史)