第8回 黎明期のガス機器の安全対策

ガス消費機器保安の歴史2019.10.29

安全への配慮

この時期は、ガス機器の使用環境は現在と異なるため、安全(保安)上の配慮はしていませんでした。

 

ガス風呂釜以外、ガス灯も含めてガス機器は、すべて欧米からの輸入品でした。
欧米では、基本的にガス機器使用者が安全の責任を持つのが当たり前であり、事故が起きても、使用者の自己責任が原則でした。

 

黎明期のガス機器には、使用者の使い方が悪くてもガス事故が起こさないという、特別な安全装置は付いていませんでした。
日本固有のガス風呂釜についても、従来の薪、石炭などの焚口にガスバーナーを入れるという考え方だったので、特に安全装置は付いていませんでした。

 

当時のガス事故があまり発生しなかったのは、都市ガスの使用者は限られた人で少なかったことや当時の木造家屋は換気もよく、いわゆる酸欠事故(酸素不足によるCO中毒事故)のリスクが少なかったからです。

 

 

ガス機器の普及

昭和の時代に入り、ほぼすべてのガス機器が国産化され、普及が進んできましたが、換気の良い条件だったため、社会問題となるような都市ガスによる事故はあまりありませんでした。

 

ガス風呂

ガス風呂は薪や石炭などから都市ガスに入れ替わったものです。当時は風呂桶業者が風呂桶を作って、風呂場に取り付け、焚口で燃料を燃やす方法でした。
そのため、煙突(排気筒)は現場の状況によって不備のものがありました。

 

ガス湯沸器

当初、ガス大型湯沸器は輸入されていました。これには排気筒型でしたが、給排気設備が不備の場合、CO中毒事故が起きたりしていました。

 

暖房機器

暖房機器も外国からの輸入品でした。外国では薪や石炭が燃料とする暖炉には煙突がついていたので、安全上問題はありません。
一方、国産のガス暖房機器は昔からの火鉢、炬燵などの代わりですから、小型の開放型機器でしたが、木造家屋の換気がよかったので、あまり問題はありませんでした。