都市ガスはどのようにして安全になったのか?
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ての連動型警報器の役割が事故防止に一層貢献しています。 このようなガス警報器の普及は、平成20年代以降の都市ガスによる重 大事故の発生件数を「ゼロベース」にすることに大きく寄与しています。 ガス警報器の開発においては、誤報対策の進化が重要な要素となります。 このため、センサー技術の改良研究は次の新商品開発へと繋がることに なります。 その結果、微量成分を検知するための各種新製品が開発され、ガス関連 事故の予防や火災防止対策、その他環境対策など、多方面にわたって活 用されています。 都市ガス用ガス警報器の開発・普及の経緯は、以下の通りです。 当初、都市ガス業界ではあまり使用されていなかったガス警報器につい て、事故防止の観点から、都市ガスでの使用及び普及拡大を目指し、『ガ ス漏れとCOガス検知』の複合型検知・警報器の研究開発がガス業界と 機器メーカーの共同で進められました。 昭和58年(1983年)に、都市ガス用として初めて大手都市ガス事 業者による販売が開始されました。 その後、「マイコンメーター」の開発と普及がガス事故防止のために推進 されました。 この期間中、ガス漏れや排気ガスのCO検知による事故防止機器として 大きな貢献を果たしました。 現在でも、室内の排気ガスの異常を間接的に発見するなど、事故防止に 役立っています。 平成12年(2000年)には、都市ガス警報器として、従来の火災報 知器にCO検知機能とガス漏れ検知機能を追加した3センサー方式のガ ス警報器が販売されました。 (下図右) さらに、ガス警報器とマイコンメーターを接続し、ガス警報器が作動し た場合には、マイコンメーターに情報が伝達され、ガスを遮断する機能 が追加されるなど、今日の『ガス事故ゼロベース』に貢献しています。 平成27年(2015年)には、従来のガス警報器に、熱中症予防警報 や乾燥警報などの付加機能が搭載された製品も販売されるようになり ました。 (下図左)

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