その後、都市ガス中の一酸化炭素(CO)濃度を減らすため、製造工場内 にCO成分を低下させる装置(COコンバーター)を設置しました。 これにより、都市ガス中のCO濃度は減少し、ガス栓や接続具の使用ミス によるCO中毒事故が減少しました。 しかし、都市ガス需要家数はさらに増加したため、接続具関連の使用ミス による生ガス中毒事故の件数は大幅には減りませんでした。 使用ミスがあっても事故に至らないような、より抜本的な予防対策が必 要であることが明らかになりました。 そのような状況を受けて、昭和30年代末頃から接続器具の安全性向上 に向けた取り組みが積極的に進められるようになりました。 昭和39年(1964年)には、利便性と安全性を兼ね備えたガス栓の迅 速継手型(商品名:カチット)が開発されました。(下図) 昭和30年代に開発された安全ガス栓、バネ カラン(バネ式ガス栓)には、ゴム管がガス 機器側で抜けた場合に生ガスが漏れ続けると いう欠点がありました。 この問題を解決したのが「ヒューズガス栓」 です。ヒューズガス栓は、ゴム管が器具側で 抜けて大量の生ガスが放出されると、ガス栓 内のボール弁が作動し、ガス放出を自動的に 止める構造を持っています。 この「ヒユーズガス栓」は、極めて効果的で あり、各種ガス栓の安全装置として全国的に 普及が広がりました。(右図) 昭和40年代に入り、それまで接続具として多く使用されていた赤・青ゴ
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