昭和35(1960)年から、本格的に普及拡大していきました。昭和 36(1961)年ごろ、小型ガス湯沸器の生産は、年間約20万台でし たが、昭和39(1964)年には、その3倍以上の約70万台と急速に 増えていきました。 小型ガス湯沸器の普及拡大に伴い、気密性の高い構造の住宅での換気不 良によるガスCO中毒事故が増加するようになりました。 これらのガスCO中毒事故多発の状況を受け、昭和40年代に入ると、機 器メーカー、大手都市ガス事業者、日本ガス協会、監督官庁等は対策に乗 り出しました。特に機器メーカーは、激増するガス給排気の不備によるガ スCO中毒事故防止のために、事故を起こさない新しい商品の開発・普及 に取り組みました。 ガス機器の内部の制御や操作に、本格的に電気を使うことにより、安全性 や機能性、利便性が、格段に向上し、今までにはなかったジャンルの機器 も開発されていきました。 大型湯沸器は、昭和37(1962) 年に、国産初のBF(バランスドフ ル―)型大型ガス湯沸器が発表され ました。この機器は、部屋の空気を 汚さず、しかも排気筒を設置する必 要のない安全な湯沸器として注目を 集めました。 安全なことで当時注目を集めたこのBF型ですが、壁貫通部には大きな給 排気トップを必要とするなど、設置面での若干の課題を残していました。 そのため、雪の多い地域や、煙突の立ち上がりをとれない所で使用するた めに、電気式フアンモーターを使った、新しい機械排気システムの開発が 始まりました。 昭和47(1972)年に、機器の上部に排気フアンを載せた強制排気(FE <フォースト・エキゾースト>)タイプが発売され、北海道地区を中心に 普及し、壁貫通部の開口部面積を小さく抑えることが可能になりました。 昭和51(1976)年には、ガス暖房機器では既に商品化されていた強 制給排気(FF<フォースト・フル―>)タイプが、ガス湯沸器にも登場し ました。 さらに、昭和53(1978)年には、雨水対策を完備した、業界初の屋 外式ガス給湯器が発売されました。
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