煙突によって排気ガスを外に出す(CF式と称する)各戸別に煙突方式を 採用していました。 集合住宅は気密性が高いため、木造住宅と異なり、換気には十分な注意が 必要です。さらに、浴室内でお風呂を沸かす内釜式は、短時間にガスを沢 山燃やすため、新鮮な空気もたくさん必要でした。そのため、給気、排気 の処理に関する設計が悪いとガスCO中毒事故の危険性がありました。 その後、同じような、気密性が高く、給排気設備が良くない集合住宅が増 えるにつれて、給排気設備不備が原因で、排気処理不足のCO中毒事故が 多く発生し、ガス事故がマスコミなどにも取り上げられて、大きな社会問 題になり、対策が急がれました。 再発防止対策として、既存の不良排気処理設備の改善と同時に、都市ガス 業界、ガス機器メーカー業界とともに安全型新規機器の開発に取り組み ました。 その結果、 昭和40(1965)年にBF型風呂釜(給気、排気処理を外 部から取り入れるタイプ)が開発され、量産化されました。日本住宅公団 では、その新製品の採用を正式決定し、住宅設計に組み込まれました。 さらに、全国の日本住宅公団のガス風呂釜は給排気設備の規格がバラバ ラだったので、ガス風呂釜規格を統一して、安全なガス風呂釜の普及拡大 に貢献し、さらに、全国の公営住宅や民間の社宅などにも採用されるよう になりました。
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