② 全国13種類のガス種の統合化 ③ 導管輸送量の拡大・効率化 この様な背景から、価格は、石炭や石油より高いが、長期的な供給が確保 されること、クリーンであることなどにより、東京ガスなどの大手都市ガ ス事業者は、LNG導入を決めたのです。 大手都市ガス事業者の天然ガス転換事業は、東京ガスが昭和47(197 2)年、大阪ガスが昭和50(1975)年、東邦ガスが昭和53(19 78)年と各事業者で導入が開始され、これらの都市ガス事業者が使用す るガス種は13Aという種類に統一されていきました。 しかし、当時、全国レベルでは、250社以上あった都市ガス事業者が供 給するガスに使用する原料は、石炭ガス系、石油系ガス、ナフサ、オフガ ス、LPGなど13種類ものガス種に分かれて供給されていました。 ガス種とは、熱量と燃焼速度 で区別された都市ガスの種類 のことで、別表に記載のごと く、天然ガス転換前までは1 3種類もあったのです。 ガスコンロ一つを作るにして も、ガスの種別に合わせて1 3種類の製品を作らなくては ならず、13A以外のガス種 の機器は、多品種少量生産だ ったのです。一方、需要家側も、全国に約250社以上の都市ガス事業者 があるので、転勤などで住まいを変えると、ガス機器の調整や買い替えが 必要となり、かなり不便な一面がありました。 そのような状況でしたので、全国の都市ガス事業者が、一種類の13Aガ スに統一することは、ガス機器メーカーにとって生産効率の面から、また、 使用者側から見ても大きなメリットが期待されたのです。 都市ガス原料の確保だけではなく、工場から需要家に届ける都市ガスの ガス導管の輸送量を増やすことは、絶対に避けられないものでした。よく、 停電はあるが、「停ガス」はないといわれます。需要家が増えて、今まで のガス導管では必要な量のガスが届けられなくなると、使用中のガス機 器の炎が消えてしまいます。その使用者が、それに気が付かないとガスが 通った時に、炎が消えたまま都市ガスが出しっぱなしになります。これは
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