都市ガスはどのようにして安全になったのか?
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② 東京ガス以外の大手都市ガス事業者の天然ガス転換 べてのガス機器を天然ガス用に転換するための作業は以下のような流れ で行いました。 ① 天然ガス転換作業の約1年前に、天然ガス転換をする地域を決めます。 1か所の天然ガス転換作業は、1サイクルにつき2~3日を要するので、 場所と期間について、1サイクルごとに年間計画を立てます。(下図参照) ②転換作業日の数か月前までに対象家庭のガス機器のすべての状況を調 査マニュアルを使用して調査します。それを基に調整部品を発注します。 その部品は転換作業の数日前までに、各家庭に事前配送されます。 ③ 転換当日の機器調整には、専門の機器調整作業者が対象となる需要家 を訪問し、すべてのガス機器を調整して、安全に天然ガスが使えるよう点 検します。 熱量変更作業の当日には、対象需要家の全てのガス機器を天然ガスで使 えるように調整を行い、最後に天然ガスによる燃焼テスト等を行い、安全 点検を実施してから天然ガスに変更します。 天然ガスへの転換が終わった需要家のガス機器は、完全に正常になって いるのです。 「ガス機器の保安」という面からみると、天然ガス転換のための熱量変更 作業は、各家庭の保安のチェックと正常化を確認することと同じことに つながるのです。 東京ガス以外の大手都市ガス事業者も、置かれた状況は東京ガスと同じ だったので、東京ガスに引き続き、各社とも天然ガス転換を始めました。 大阪ガスは昭和50(1975)年に天然ガス転換をはじめ、平成2 (1990)年に終わりました。

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