③ 具体的な給排気設備改善について ০改善方法 ০浴室給排気設備不備の改善 理的に決められるという、ビルトインという理想的な建築システムの思 想につながったのです。 ガス機器を建築設備の一部として位置づけ、ガス事故問題の改善を関係 業界に働きかけた村上社長の経営判断は的確でした。 専門会社として、対象家庭別に集中して対応し、毎年、10万件もの改善 をした結果、10数年後にようやく改善すべき対象が減ってきました。逆 算すると34万件とみていた風呂釜、湯沸器の不良給排気設備は、実際は 約130万件あったことになります。 その後も改善または新しい機器に取り替えられることで、都市ガス事故 の予備軍はなくなり、事故は減少しました。 専門会社を設立しての対策の実施は、既設の不備対策だけでなく、ガス機 器と建築の一体化という、今後のあるべき姿をも示してくれたものであ り、極めて前向きの思想につながったのでした。 この時から、建設業界、ガス機器メーカー団体、都市ガス事業者の連携が 始まり、建物の設計時点にガス設備・機器がくみこまれてゆきました。 これで社会システムとしても、建物内へのガス機器や設備のビルトイン 化が進み、さらに住環境のグレードアップなどで発展的にライフバリュ ーも進化していったのです。 いわば、この時代がきっかけになって、今日に至る、ガス機器の近代化へ の道が開けたと言えましょう。 給排気設備への取り組みとして、不備のあるガス 機器をどう改善するかかが考えられました。まず、 既存設備の不備を改善する具体的な方法を需要家 に提案していきました。 具体的な改善例は次の通りです。 ・単独または共用排気筒による改善 ・新規安全型機器(BF型、RF型)への取替 ・強制排気方式(安全システム付き)への改善1 戸建てで、浴室が外部の壁に面していると比較的簡単ですが、浴室が内部
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