責任であることが、社会通念でした。 しかし、文明が発達して近代化が進むにつれて、商品の安全管理は、それ を供給する会社の責任でもあるという社会通念になってきました。 ガス事業法では、ガス機器の所有者は、都市ガスの利用方法に関しては不 慣れであるため、「安全周知」によって、専門家である都市ガス事業者が 安全を確保すべきであるとなっています。 ガス事業法の中では、都市ガス事業者に対し、ガス機器に関する「調査義 務」と「安全周知」という保安責任が課されています。 したがって、使用者が所有するガス機器の給排気設備不備が原因で事故 が起きても、都市ガス事業者には、消費者への「安全周知」の観点から、 事故を起こさせないという保安責任があるのです。 ガス機器が普及していなかった頃には、事故は使用者の責任として表面 には出なかったのですが、近年ではガス機器が普及し事故が増えるにつ れて、人命や財産に影響するため社会問題となりました。 ガス機器による事故が発生し、人の生命や財産まで影響を及ぼすことに なると、都市ガス事業者をはじめ、ガス機器販売会社・ガス機器メーカー は法令の責任範囲だけでなく道義上の責任も問われる状況になったと認 識することが肝要です。
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