都市ガスはどのようにして安全になったのか?
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④ 燃料と煙突に関する歴史的な背景 ⑤ ガス機器の建物内設置に関する問題点 昔の風呂釜の燃料は薪や石炭 であったので、煙が出るため、 煙突は必ず取り付けてありま した。 一方、都市ガスは無色、無臭 (後で臭いをつけました)で すから煙が見えません。 ガス風呂の場合は煙が見えな いので、販売者や設備の関係 者は煙突はいらないと錯覚し てしまい、排気処理の重要さがわからないままに、各家庭に機器本体だけ を販売・設置したものと思われるのです。 当時のガス風呂釜の広告やカタログ、説明書には「排気筒のない」場面の 絵や写真がありました。 (上図 風呂釜排気筒不備の例) 近年では住宅内の空調機器、 ガス機器、その他の住宅設備 は「ビルトイン」といって、 建物の設計段階で図面上に記 入されていますが、昭和40 (1965)年頃は、建物が 先に作られ、設備機器は後で 取り付けるというのが一般的 でした。 当時、ガス機器は使用者の財 産だという考え方が主流で、 建築者は、ガス機器の給排気設備は使用者が管理すべきものとしていま した。 したがって、ガス機器の新規設置の際、給排気設備には建築者は関与せず、 設備を担当するものが対応すべきと考えられていました。 本来は、建築者が設備を含めて建物管理すべきものでしたが、ガス機器の 設置に関する部分は設備業者や都市ガス事業者の責任範囲と思われてい

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