③ CO中毒を起こす対象機器と給排気処理対策の実態 ০風呂釜関連機器について CO中毒事故を起こす機器は、ガス風呂釜と大型湯沸器、小形湯沸器・ス トーブでした。 そのうちの風呂釜と大型湯沸器とでは機器の成り立ちが異なります。 前述のとおり、日本と外国で は風呂の使い方が違います。 日本には昔から風呂に入る文 化があり、外国はシャワーで すませるという文化です。 日本の風呂の歴史は古く、全 国各地いろいろな入浴の仕方 がありました。銭湯などの大 衆向け共同浴場も古くからあ りました。 そして日本の近代化に伴い、家庭内で風呂釜を使う浴室風景が標準にな り、大衆的な銭湯などの共同浴場から、内湯風呂の時代に変わってきたの です。 特に、ガス機器の排気筒を付ける煙突業者と、ガス風呂釜を販売・設置す る業者とはうまく連携できていませんでした。 排気筒材料の品質も粗悪なものが多く、ブリキ製や樹脂塗装製が主であ り、安いけれども腐食しやすいため、事故の潜在的な原因にもなっていま した。 今では、標準になっているステンレス製の排気筒は高いと思われて普及 していませんでした。 ブリキ製は安いけれども腐食しやすく、問題が出ていました。 このように、機器本体と給排気処理が一体になっていない風呂釜が、流 通・販売されていたのです。 こういう背景が、風呂釜の給排気設備不備による事故の一因になってい ました。
元のページ ../index.html#44