都市ガスはどのようにして安全になったのか?
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① 社会環境 ② ガス機器使用上の環境の変化 戦時中、建物や道路に敷設さ れた都市ガスの導管などが日 本中で破壊されました。 しかし、戦後の復興期を終え ると、高度経済成長が始まり、 昭和31(1956)年には 「もはや戦後でない」とも言 われるようになりました。 国民の所得が増えるにつれて、 多くの大衆向け商品が出てま わり、家電製品やガス機器などの家庭内の機器が増えて生活環境も大き く変わっていきました。 その反面、各種の設備・機器や自動車など、他の業界でも、便利さに伴う 様々な歪が起きた時期でもありました。 ガス機器も建物構造の変化などにより、いろいろな事故、リコールなどの トラブルが起きた時代だったのです。 戦前・戦後を通じて、主に使 われていたガス機器は煮炊き 用のガスコンロ(七輪)であ り、湯沸器や風呂釜などの大 型機器は一部の富裕層に限ら れていました。 そしてガス機器の使用環境や 使い方などについては、その 使用者に周知すればよいとい う程度で済んでいました。 しかし、ガス機器が急速に普及拡大した昭和40(1965)年頃からは、 建物の構造も変わってきました。 こうしたガス機器を使う環境が変わったことを、建設業界やガス機器を 取り扱う関係者、そして、使用者全体に対して安全周知という形で知らせ 2.ガス機器事故多発の原因と社会的な背景

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