০事故の種類 都市ガス事業保安の歴史から見ると、昭和30年~50年代はガス機器 の事故が最も多発した時代でした。 このころは、人命、財産を損なうガス事故が多かったため、新聞、テレビ 等マスコミに報道されて大きな社会問題となっていました。 当時の事故発生の背景や原因は何だったのでしょうか。 まずこの時代は、戦災から復興、そして朝鮮戦争の動乱からの特需景気を 経て、日本の経済が急成長し、いろいろな商品が売れていた時代背景があ りました。 しかし、経済が急成長しても、都市ガスを使用する環境としては、次のよ うな問題がありました。 日本の住宅は、もともとは木造で気密性が低いため、ガス機器の給気や排 気の処理は、自然の換気による環境で対応していました。 しかし、経済の成長とともに 建築物が鉄筋系の共同住宅な どに変わり、自然換気による、 給排気処理が困難な環境にな っていました。 ガス機器を使用するための、 給排気設備などは旧型設備が 多く残っていて、ガス機器の 使用環境が良いとは言えない 状態だったのです。 一般的には、住宅など建物の建設が先行し、建物ができてから、後付けの ガス機器を設置しようとするため、適切な給排気設備の設置ができず、不 備設備が増加する要因にもなっていました。 こうした、ガス機器の設置状況や安全な使い方の知識が足りないなどの 事情が、事故の背景にありました。 ガス事故を大別すると、次の通りとなります。 1.ガス栓、接続具などからの生ガス漏洩によるCO中毒事故 ・旧型ガス栓・旧型ゴム管など接続部関連からの漏れが原因のCO中 2.自損行為による故意の生ガス放出による事故 毒事故 ・ゴム管切断、旧型ガス栓開放によるCO中毒事故 ・原料が石炭ガスの時代はCO中毒が主であり、天然ガス転換後は室
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