০ガス風呂釜が誕生するまで 最初に海外から輸入されたのは、各家庭で使われている厨房(台所)機器 で、大部分の家庭では、煮炊きやコメの炊飯用に使われていたのは、薪、 石炭などを燃料とする「七輪」、「かまど」だったのです。 明治35(1902)年に、日本初のガス 器具の特許品として、本格的な純国産のガ ス機器「ガスかまど」(右図:ガスかまど) が製造、販売されるようになりました。 日本には昔から、入浴するという習慣があ りますが、欧米ではその習慣はなく、シャ ワーが主体です。 したがって、欧米には風呂釜というのは存 在していません。したがって、ガス風呂釜 は日本独自の発展を遂げました。 日本の風呂の歴史は古く、全国各地には、 多くの温泉があり、建物内での浴室利用、 寺社での沐浴などの入浴習慣から、日本 人には独特の風呂文化がありました。 江戸時代の「風呂」から、いかに日本人がガス風呂釜を使うようになった のかを以下で見ていきます。 火事の多い江戸の町は防火のために内風呂は基本的に禁止されていまし た。地方の裕福な農家(自作農)には内風呂がありましたが、江戸では、 内風呂は上級武家屋敷に限られていたのです。庶民はもっぱら湯屋(銭湯) 通いであり、武家や商人も利用していました。 江戸時代から、内風呂の型は大井川を挟んで東側(江戸・関東以北)は鉄 砲風呂、西側(上方、大阪・関西以西)は、五右衛門風呂(長州風呂とも いう)が主なものでした。(下図:鉄炮風呂・五右衛門風呂)
元のページ ../index.html#23