④ 昭和から平成へ、ガス設備・機器の近代化 ガス業界全体の合理化、安全化につながったのです。 この間、都市ガス需要家数も益々増えて、昭和40(1965)年には6 86万件、昭和45(1970)年には1千万件を超えるまでになりまし た。ところが昭和48(1973)年、第4次中東戦争の影響で突然石油 がストップするという「オイルショック」が起きました。原料だった石油 価格が暴騰し、都市ガス事業も大きな影響を受けたのです。 都市ガス事業の天然ガス化は、昭和30年代から考えられていましたが、 実際は昭和44(1969)年にアラスカからLNG(液化天然ガス)が専 用船で運ばれたのが初めてでした。 前述のように、天然ガス化は、将来 のガス需要が増えることや大気汚染 などの環境問題への対応、さらには 合理化のための一環でもありました。 これによって、13種類のガスグル ープを統一する事ができ、さらに一 酸化炭素(CO)ガスを含まない天 然ガスによって、石炭ガスなどが抱 えていた一酸化炭素(CO)ガスに よる事故を無くすという、歴史的な 保安上の問題を解消する将来展望が 開けてきたのです。 一方、昭和40年代後半にガス機器の事故が多発した反省から都市ガス 業界が続けていた再発防止策は、引き続き実行されました。今までの機器 への「安全周知」のソフト的な対策や、新しい機器への不完全燃焼防止装 置の取り付けなど「ハード」的な安全対策が実を結んで、ガス事故は着実 に減ってきた時期でした。 いわば、都市ガスの原料面、供給施設、ガス設備、ガス機器などでの全面 的な近代化が始まった時期といえるでしょう。 都市ガス業界が、今までの「事後保全型」(事故発生事例から同種事故防 止対策措置、以下同じ)から、予防保全型(ガス機器の使用者の誤操作や、 不良設備・機器があっても事故を侵さない措置)に変わったことによる効 果が徐々に現れて、事故は着実に減っていきました。住宅内を安全にする 仕上げとして「マイコンメーター」が開発され、各建物のガス管内の通路 につけられたことは、異常があれば、安全側にガスを止めるということで、
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