(スコットランド) ② 都市ガスの利用形態 ③ 創業当時の状況 この様に都市ガスはまず照明用のガス灯として使われ始めました。ラン プや、ろうそくの炎しかなかった当時の人々の目には、ガス灯は文明の象 徴のように見えたことでしょう。何しろそれまでは夜の屋外は真っ暗で、 手元の明かりだけで夜道を照らしながら歩くのは心細いことでしたから、 まさしく文明開化の光だったと思われます。 そしてその後、都市ガスは次第に煮炊き用として台所の熱源として利用 されるようになったのです。 この様に19世紀にイギリスで都市ガス事業が始まりましたが、このこ ろから都市ガスの成分であるCOの毒性は話題になっていました。まだ 都市ガスが普及していなかった頃でしたが、都市ガスを使用するときの 注意事項は理解されていたようです。第1章で紹介した、当時のガス自殺 を題材に使った映画「ライムライト」に登場する医師の発言からも考えら れるのです。 石炭ガスの発明と各国の都市ガス事業創業 1609年 (慶長14年) 1792年 (寛政4年) 1812年 (文化9年) 1815年 (文化12年) 1816年 (文化13年) 1841年 (天保12年) 1872年 (明治5年) 年代 ベルギー イギリス イギリス フランス オーストラリア シドニーガス会社設立 日本 アメリカ 国別 化学者ヘルモントが石炭を乾留して、可燃性ガスを取り出す ウイリアム・ムルドックが石炭ガスでガス灯を開発「ガス灯の父」と呼ばれる 世界初の都市ガス会社設立(ロンドン・アンド・ウエストミンスター・コーク会社) パリで都市ガス会社設立 ボルチモア・ガスライト会社設立 横浜瓦斯灯会社を設立 発明者など
元のページ ../index.html#11