大手都市ガス事業者三社においては、昭和58(1983)年に東京ガ ス(株)が「マイコンメーター」の設置を開始し、その後、大阪ガス(株) および東邦ガス(株)が続きました。 マイコンメーターの設置にあたっては、需要家のガスメーター検定満期 (10年)交換時に計画的に取り換えることで普及率向上を図りました。 その後、日本ガス協会の指導方針として、全国のガス事業者がマイコン メーターの設置を開始し、平成7(1995)年の阪神・淡路大震災後 は設置が加速されました。 LPガス業界でも監督官庁の指導もあり、全国の全需要家に「マイコン メーター」が設置されました。 そのため、現在では、全国の都市ガス、LPガス需要家合計約5000 万件すべてに設置されており、大地震発生時の事故防止に大きく貢献し ています。 全国の都市ガス需要家のガスメーターが全て「マイコンメーター」とな っているため、近年各地で発生した大地震での都市ガスに関するガス事 故・トラブルは減少しており、都市ガスのが原因とされる火災発生数も 減少傾向にあります。 過去の大地震発生の際は、都市ガス事故・トラブルの復旧には約1か月 以上要していましたが、阪神・淡路大震災以降、東日本大地震、熊本地 震、北海道胆振東部地震の経緯を見ると、都市ガス関連のトラブル発生 の話題は大幅に減少しています。 我が国の都市ガス事業は明治時代の初期に始まり、現在、約150年の 歴史があります。 ライフラインの熱エネルギーの利用に関して、その一翼を担う都市ガス 事業者は保安(安全)に関する問題を常に重要事項として捉えていまし た。 都市ガス事業は公益事業であり、公共性を有しながらも、同時に民間企 業として利益の追求が求められる企業体でもあります。 (4)マイコンメーターの普及 (5)大地震発生時のガス事故・トラブル対策に貢献 あとがき
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